私こと、今年で創刊50周年を迎えた女たちの投稿誌『Wife』の編集長として、70年代半ばより、フェミニストとしての活動を続けて参りました。
しかしふと気がつくと、最近、すばらしい仕事をされた大正生まれ・昭和一桁生まれのフェミニストの方々が、ひとりまたひとりと鬼籍に入って行かれます。悲しいことですが、それも不可抗力と諦めておりました。
ただそうした現実のなかで、私はこれまでこの国で女たちのために力をつくしてきた人びとの活動を映像化して、後生に残したいと思うようになりました。
日本のフェミニストたちがさまざまなかたちで活動をしはじめてから、すでに45年、これまでも彼女たちの軌跡をたどった映像作品がなかったわけではありません。しかし今回のような規模で日本のフェミニストの姿を映画化する試みは、これまでなかったように思います。
出版と違い、ひとつの企画の映画化には膨大な資金が必要です。しかし、アメリカなどと違い、日本でそれを表現するには草の根のおひとりおひとりのお力にたよるほかはありません。
そこでほんとうに恐縮ですが、企画の趣旨をご理解いただき、みなさまのご支援を頂戴できれば、これに勝る幸いはございません。
八十歳という年齢のハンディを抱えつつ、まったく畑違いの分野での活動に乗り出す難しさを感じておりますが、日本のフェミニズムに対する最後のご奉公と自らを励ましております。
監督は『折り梅』『レオニー』で評価の高い松井久子さんにお願いし、目下、精力的な撮影が進んでいるようです。
みなさまのご支持・ご協力を心よりお待ちしています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
2014年6月吉日
「フェミニズムを生きた女たち」をつくる会
田中喜美子